ご機嫌如何ですか?
今回の小生の手記は「預金封鎖」についてお話いたします。
先日、格付け会社ムーディーズにより日本の国債の格付けが二段階降格させられました。このことは先進国の中で最下位であるばかりでなく、日本は発展途上国と同じ位置にランクされました。政府はそのことを不満でランク会社に意見書を出しているようですが、小生は当然の結果と見ております。
日本の平成12年度の国の税収は52兆円、ところが地方を含めた国の借金は666兆円です。又、この他に特殊法人の借金が250兆円あり、これを加えると日本の借金は916兆円にもなります。
これは税収の17.6倍にもなります。利息を2%で計算しても毎年18兆3千億円となります。この事は誰が考えても債務不履行になるのは目に見えております。国はその穴埋めとして輪転機をフル稼働し国債を発行しております。その状態はたこが自分の足を食べて生き長らえているのと同じです。不良債権を多く持つ銀行は政府が救済しますが、債務不履行(デフォルト)に陥った国は何処が救済してくれるのでしょうか。
その意味で格付け会社の行った格下げは日本に対し多くの警告を発している事と言えるでしょう。
さて、本題の預金封鎖に入ります。
小生は以前から友人などに対し金融資産のリスク分散を訴えつづけて来ました。小生自身そのおかげでバブル崩壊後10年たった現在でも悠悠自適の人生を送ることが出来ております。
日本国民の金融資産は1千4百兆円と言われておりますが他人の懐は開けてみるまで分かりませんし、その3分の1以上は紙切れ同然の日本国債や、国民が信用して預けている郵便貯金が運用している財政投資により、すでに失われております。日本ではある程度の報道管制があるようですが、外国では情報開示制度により日本の情報が的確に報道されます。
平成13年3月8日に当時の財務大臣は予算委員会で「わが国の財政は今、破局に近い情況である」とはっきり言い切りました。この事は日本の財政はすでに破綻していると言う事を物語っております。皆さんも日本と言う国が債務超過に陥いっている事実はすでに薄々おわかりのことだと思います。
政府が発表した平成12年の10月10日の新聞記事でも国の貸借対照表によると債務超過は776兆円にのぼる事が分かりました。しかし、この中には地方自治体や特殊法人の負債は含まれていませんのでそれを加えるとそれ以上の数字になることはお分かりでしょう。それではこの様な危機的状況をいかに脱出するかの問題になります。
不良銀行は政府が救済しますが、不良政府は誰が救済しなければいけないのでしょうか?
外国は日本の破滅を横目で見るだけで何もしてくれません。ましてや現在のバブルの寵児、中国などはいずれは日本を自国の経済支配下におく事を暗に望んでいるようです。今の日本をすくう事が出来るのは日本国民だけです。その為、首相の小泉純一郎は口癖のように「日本国民全ての痛みを伴う改革」とか、「聖域無き構造改革」を訴えつづけております。報道管制下に近い日本ではその意味をかいつまんで詳しく解説する人も少ない為、平和ボケの国民は何のことやらわからないと思いますがその改革こそ、今日本にとって絶対に避けてはならない改革です。
大きな改革に入る前にその前兆があるものです。その前兆とは、2002年の4月から始まったペイオフ制度です。現在は定期預金だけですが2003年4月からは全ての預金がこの制度に移行します。この事によってこれから起こるであろう金融大恐慌に政府が税金をつぎ込む事を避ける事が出来ると同時に資金の情況を把握する事が出来ます。
それは「名寄せ」制度と言うものによって複数の口座をもつ預金者の調査をしている事です。ペイオフは一口座あたりではなく、一銀行あたり1千万円の保証ですから同じ口座に何口も口座を持っている人に対し、その合計額を突き止める必用があるわけです。この事は個人に限らず法人でも行われております。これが完了した後、更なる大きな改革が国民をどん底に突き落とす事になります。しかしこの事は日本国が生き残る為の痛みなのです。預金封鎖「バンク・ホリデー」の始まりです。現在の国民の3分の2はこの制度や意味さえもわからない人がいるようですが、この制度は過去に2〜3度実施されています。
又、出ては消え隠れしているデノミ制度も同時に実施され、それに伴いユーローのような貨幣切り替え。つまり新円切り替えも実施されるでしょう。
デノミとは一万円が100円に、100円が1円になる事です。同時に行われる新円交換により、交換期日を過ぎると旧円は失効になります。お金が失効になると言う事はただの紙くずになると言う事です。この為全ての国民は今まで隠して置いた預金を交換所に持ち込まなければならなくなります。その交換所では持ち込んだ人の名前や交換した金額は全て記録され、そのデーターは税務署にも報告されてしまう事になります。
ここで初めて日本国民の正確な財布の中身がはっきりします。それに基づいて政府は新たな財源確保の為、新しい税金を徴収するでしょう。それは新円交換税や、財産税と言われるものです。課税額は30%以上と言われ、もし仮に日本国民の財布の中身が1400兆円有ったとしたらその税額は420兆円ほどになります。
しかしこれは表向きの金でその倍の税収が見込まれております。「取らぬ狸の皮算用」かもしれませんが、今の小泉首相含む改革派内閣の全ての閣僚はこれを期待しております。日本の国家予算は80兆円、GDPは500兆円です。今の日本の借金が666兆円で、今後政府が負担しなければいけない日本の銀行の不良債権170兆円を足したとしてもその特別税収で一挙に返済出来る計算となります。
日本国民は熱しやすく冷めやすい国民性を持っております。その為、この様な大改革(国民の預金が3分の1が国に上納させられる)が起こったとしても一時期は興奮するでしょうがそれも天下国家の為となだめられればすぐに振り上げられた拳は下ろされるでしょう。
その日がいつ来るかはこれを読んだ人の感性に任せるとして、ここで小生が一番伝えたい事は日本の国はその様な情況にまで来ていると言う事を分かってほしいからです。今の日本が何処に向かおうとしているかその舵取りは現在の小泉内閣にたくされておりますが、小生は少なくとも彼は日本において避けては通れない道の真中に立たされていることは間違いありません。
外国の地において危険負担を出来るだけ逃避している小生において日本国の政策に口を出す資格はありませんが、これを読んでくれる友人の一人でも多くがリスクの分散と言う大義名分の名のもとで大切な財産を保全する事の参考になれば幸いです。
本日は御精読ありがとうございました。
日海